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会長挨拶
新会長の常岡です。よろしくお願いいたします。前会長の松藤先生、長い間の会長職どうもありがとうございました。現在の松遙会の元気さを持続させるため、まず前会長の成果を継承するところから始めたいと思っています。

今年(2012年)は九州大学建築学科が創立されて55年目になり、卒業生はすでに2900名に達しています。かれらは社会的にさまざまな分野とそれぞれの世代において重要な役割を担っています。松遥会はいまや十分な歴史と大きな勢力を持つ同窓会です。2900名の記憶と実績が堆積しているわけです。最近うれしく思うのは卒業生のなかに研究者、技術者、管理職として活躍し、社会を動かしている人たちがいるだけでなく、建築家として見事な作品を世に問う人たちが輩出してきたことです。

近年の出来事としてはなんといっても2011年3月11日の東日本大震災とそれにともなう福島の原発事故が衝撃的であり、いろいろと考えさせられました。津波の破壊による変わり果てたすさまじい風景と放射能汚染によるなにも見えないなにも変わらない風景。専門家として何ができるのか、何をすべきなのか、あるいは専門外の人間としてなにができるのか、なにをすべきなのか、考えざるをえませんでした。松遥会は卒業生への応援団であると同時に建築の専門家集団でもあります。建築の専門家集団としての社会的役割、社会的責任があるのではないかと考えます。同窓会組織ですから、他の学協会や職能団体とは異なる柔らかさ、軽さ、思いが特色ですが、その柔らかさ軽さ思いゆえにできること、あるいは求められることがあるのではないかと考えます。

というわけで私の抱負のようなことがらを最後に記すと、ひとつは松遙会の元気さを持続させること。そのためには会員みなさまの支援と思いが大切です。もうひとつは松遙会と社会的役割、社会的責任について考えること、それについて会員のみんなに考えてほしいと思います。

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